【前編】入社6年目のホンネ「『はいやりたいです』自ら手を挙げ、リーダーになりました」イケア・ジャパン村上梨加さん

■あなたの知らない若手社員のホンネ~ イケア・ジャパン株式会社/村上梨加さん(29才、入社6年目)~

中間管理職は部下との円滑な人間関係のために、20代の社員は同世代がどんな仕事に奮闘しているか、興味があるところであろう。この企画はバライティーに富んだ職種に携わる若手社員を紹介してきたが、今回は世界最大の家具量販店、イケアである。

シリーズ44回はイケア・ジャパン株式会社 IKEA新三郷勤務 チェックアウトサービスマネージャー 村上梨加さん(29)入社6年目だ。イケアはスウェーデン発祥で欧州、北米、アジア、オセアニア等、世界各地に出店している。現在、国内のイケアストアは9店舗。スタイル別モデルルームをはじめ、レストラン、ビストロ、一時子供預かり所等も併設している。

公募制に手を挙げて、面接、承認、そして上司のサポートのもとにトレーニング期間を経て、リーダーやマネージャーに就くことができるシステムのイケア。村上さんは自ら挙手し現在、26名のスタッフを束ねるマネージャーだ。なぜ自ら管理職を買って出たのか。管理職の悲喜こもごもとは。

ニックネームで呼び合う社風

大学時代、カナダのオタワに一年間ワーキングホリデーで滞在した際に、現地の友人が「イケアにご飯を食べに行こう」と。私は九州の大学に通っていて、イケアを知りませんでしたから。

「えっ、家具屋にご飯を食べに行くとの?」という驚きがあって。こんな部屋で暮らしてみたいというモデルルームが、店内の随所に配置されている。ナイアガラの滝やいろんな景色と一緒にイケアの店内の風景も、忘れられない思い出として心に残りました。

大学ではマーケティングを学んでいた関係もあり、帰国してからイケアの創業者の本を読むと、上層部の人間でも格安の飛行機で移動するとか、コスト意識が強く泥臭い。一方で採用の際は経歴で判断せず、その人の価値観をベースにするとか、スタッフは平等という意識が随所に感じられ、人を大切にする会社というところが印象的を持ちました。

入社して福岡の店舗での8ヶ月間の研修期間は、商品を荷受して店舗に運ぶとか、人事で面接に参加したり。メンテナンスの部署で延長コードや駐車場の柵を作ったり、8つの部署を一ヶ月ずつ経験しました。その過程で、失敗してもいいからそこから何かを学んでこいという社風を実感しました。スタッフは管理職でもニックネームで呼び合う。その点もスタッフは平等という、この会社らしいところで、私は旧姓が宮本なので“ミヤモン”と呼ばれています。

顧客の怒りの矛先はどこにあるのか

配属はIKEA新三郷で、チェックアウトカウンター、レジを担当しました。戸惑ったのは社内の決まりごとをお客様にどのように伝えるかで。例えばイケアでは店舗に在庫がない場合は購入できない。「この家具が気に入った。先にお金を払うから入荷したら届けてよ」「申し訳ありません。在庫がお店にないものに関しては、お金は受け取れないことになっているんです」

「でもそれはそっちの都合でしょう。私はお金を払うと言っているんですよ」「でもそれはシステム上、難しいです」

入社当時はそんな感じで、淡々とお客様に伝えていたような気がします。店内でどんなにいい体験をしても、最後のレジで内容が悪かったら、お客さんはがっかりして帰ることになる。私のこんな対応に、クレームをいただいたこともありました。

「お客様の怒りの鉾先はどこなのか、対話から探っていって、何を提案すれば満足してもらえるか、考えるんだね」上司に、そんなアドバイスをもらいました。

まず、こちらの都合を言うのはよくないなと。できる範囲で、どうしたらお客様に満足してもらえるか。今なら入荷した時にオンラインで購入できるので、オンラインサービスを案内したり。

お客さんの鉾先が鋭いようでしたら、「申し訳ありませんが、違う何かで対応させていただいてよろしいでしょうか」と、お声がけをして、ヘッドマイク等で専門の販売スタッフにレジまで来てもらい、対応をするとか。お客さんがどんなことを期待しているのかを把握し、それを裏切らない接客が大事だと、レジを経験してそんな基本を痛感しました。